人体改造カルタ
🕑 Added 2022-04-03 02:37:36 +0000 UTC
「ん……あれ? ここ、どこ?」
最初に目に映ったのは真っ白な天井。いや、天井なのかもはっきりと分からない。
上一面がただの真っ白に見えていて、距離感も全く掴めない。色合いの差もなくって雲だってことも考えにくい。
上だけじゃない。横も下も、全部が真っ白。明かりらしいものも見えないのにしっかりと周囲が分かるのが不思議だ。
目に入る空間で色がついている私と同じように床に横たわっている人だけ。
クミ、サオリ、タケシ、ハヤト、マモル。私、アカリを含めてクラスでもよく一緒にいる6人だ。
『皆さん、目が覚めたみたいですねぇ。』
「えっ?」
一瞬、倒れている誰かが喋ったと思った。けど誰の声とも一致しない、聞いたことのない女性の声。声自体も遠くからか近くからなのかも分からない。
「なんだよ、ここ。」
「え? なんで私こんなところで寝てるの?」
「今の声、誰?」
みんなも目が覚めたみたいで立ち上がって顔を見合わせる。当然だけどみんな混乱してるみたいだ。
『はい。色々思うところはあるかも知れませんけれどぉ、それは考慮してあげませんから話を聞いて下さいねぇ。ではぁ今から皆さんにはゲームをして頂きまぁす。』
「……ゲーム?」
なんだろう、一時期流行ったシチュエーションを思い出す。誰か一人が生き残るまで殺し合いをさせるってやつ。
『ゲームの勝者は1名。勝者の特典としてこの空間から脱け出すことが出来ますからぁ、皆さん頑張ってくださいねぇ。』
「1名って、それじゃ負けたらこんな所に閉じ込められるってことなのか?」
タケシの言葉にみんなが顔を見合わせる。周りの皆を犠牲にして一人で逃げ出すってのはやっぱり抵抗がある。
『いえいえ、大丈夫ですよぉ。勝者が抜けた後はぁ、残った方で同じゲームを行っていただきますからねぇ。心配しなくってもぉ、最後の1人までちゃあんと帰ることが出来ますよぉ。』
え、じゃあ何のためのゲームなの? 誰かが見ていて楽しもうとしてるってこと?
『それではゲームの説明をしますねぇ。皆さん、足元を見て下さい?』
「なにこれ。さっきまでこんなの無かったよね?」
6人の中心、さっきまで何もなかったはずの場所に6枚のカードが置かれていた。
「なんだ? 字が書かれているな。」
ハヤトが座り込んで確認している。最初は拾おうとしてたけど、カードは地面に張り付いているみたいだった。
「えっと内容は? 『おっぱいが10cm大きくなる』、『おちんちんが1cm大きくなる(ない場合は3cmのおちんちんが生える)』、『肛門の最大直径が1cm増える』……って何だよコレ。」
いや、確かに内容は気になったし私も読んだけどさ。なんで口に出しちゃうかな。ほら、クミもサオリも顔を赤くしてるじゃん。私もちゃんと顔赤くなってる? 女子で一人だけ平気とか逆に恥ずかしいんだけど。
で、残りの3枚は『クリトリスが5mm大きくなる(ない場合は5mmのクリトリスが生える)』、『乳輪が5mm広がる』、『お尻が3cm大きくなる』……ホント何なのよコレ。
『ルールは簡単です。こちらがカードの内容をお伝えしましたらぁ、対応したカードを取ってくださいねぇ。まあ言ってしまえばカルタです。では試しにやってみましょうかぁ。“おっぱいが10cm大きくなる”。はい、取って下さい。』
何となくみんなで顔を見合わせてしまう。でもこれ、誰かが取らなきゃ進まないんだよね。
「えっと、ごめん。私が取るね。」
一応確認してから手を伸ばす。みんなも特に邪魔をしようとはしない。さっきは地面に張り付いていたみたいだけど、読み上げられたからなのかそのまま取ることが出来た。
『初のゲットおめでとうございまぁす。』
「え……ちょっと何?」
急に胸が締め付けられる。ブラジャーが小さくなった? でもそんなハズないし……
「うそ……」
胸元に目をやると明らかに膨らみが増していた。これってカードに書かれた内容が実際に起きたってこと? だとするなら胸は90cmを超えたってことになる。そこまでのサイズとなるとグラビアアイドルだって凄い巨乳として売り出している人、だよね。
『お分かり頂けましたぁ? カードを手に入れますとぉ、書かれた内容が身体に反映されますからねぇ。』
「そんな。」
改めて他のカードを確認する。クリトリスが大きくなったり乳輪が広がったり、その辺はまだマシだ。おち……いや、男の人のアレが生えるって何。そんなの、絶対に取るわけにはいかない。
あれ? 私が取ったカードのあったところに別のカードがあった。最初から重なっていたのか、また急に現れたのか。内容は『おっぱいが3cm大きくなる』だった。
『さてぇ。ここからゲームを円滑に進めるための説明を行いますねぇ。先ほども言いました通りぃ、勝者はここから抜け出して帰ることが出来ます。一般的なカルタでは札の数が決まっていて全ての札が終わったら終了ですよねぇ。それに対してこのゲームはノルマの枚数を獲得した方が勝者となります。ですので取ったカードの所には新たなカードが補充されて行きますからねぇ。』
……今私がとった1枚もちゃんとカウントされてるんだよね?
『ちなみに1戦目ののノルマは10枚ですがぁ、2戦目以降はノルマが増えていきますからねぇ。あまり身体を変えたくないのなら早めにクリアしちゃうことをおススメしますよぉ。』
そんなこと言って。誰もみんなそう思ってたら簡単に出来るわけないじゃない。
『それともう1つ。カードの内容は試合が進むほどにハードになっていきますからねぇ。そういった意味でもぉ、早めのクリアをお勧めします。』
「ハードって、これ以上どんな酷いことがあるんだよ。」
マモルの言葉ももっともだ。私の胸がこんなに大きくなってしまったこととか、男の人のが生えてしまうことなんてことを考えればこれ以上のことなんてそうそう思いつかない。
『そうですねぇ、まずは数値が大きくなっていきますよ。ちなみにぃ、最初は大きな変化で見た目にも分かりやすくするためにおっぱいを10cm大きくしましたけれどぉ、これは本来なら3戦目以降で出てくる数値ですねぇ。4戦目以降になれば更に大きな変化が起きる可能性もあるってわけです。』
は? そんなのをいきなり取らせただなんて、酷い。
『他にはですねぇ。例えばおっぱいの先端が口になってしまったりだとか、お臍がオマンコになってしまったりとか。普通ではありえない身体になるなんてカードが出てくる可能性がありますねぇ。』
「は? そんなの、出てきたって取るわけないじゃない!!」
サオリが叫ぶ。そりゃそうだ。私だって胸が10cmも大きくなると分かってたらこんなカードは取らなかった。数cm程度の変化で収まるカードを集めて勝利を目指してたハズだ。
『はい、その辺りは承知していますよぉ。ですのでぇ、読み上げてから1分間。誰もカードを取らなかった場合は全ての参加者にカードの内容が反映されることになってますからねぇ。更にペナルティとして全員のカード獲得枚数が1枚減っちゃいます。カードを取ったことで起こった変化は戻りませんからぁ、ノルマを達成するために必要なカードが1枚増えるってことですねぇ。あ、仮に1枚も獲得していない方がいた場合は0枚のままで変わりませんので安心してください。』
「何よそれ!!」
じゃあそんなカードが出てきたら誰かが取ってくれることを期待するか、誰も取ってくれないならどうせ同じ変化が起きるんだからって諦めて取らなきゃならないってこと?
『それから間違ったカードを取ってしまった時ですねぇ。書かれた内容が本人に反映されましてぇ、同じくペナルティで獲得枚数が1枚減りますので覚えておいてください。あ、間違えて獲得した場合も新たなカードに差し変わりますよぉ。どうしても欲しいカードがありましたらペナルティ覚悟で取ってしまうのも手ですかねぇ。』
わざわざ間違えてまでカードを取るなんてことはないし、取り間違えることなんてことも有り得ない……とは思ったけど、勝利のために内容を聞く前にに取ろうとする場合だってあるのかな。
あ、ひょっとしたらこの後胸が小さくなるってカードが出てくるかもしれない。それなら私は欲しいし、そういうのを考慮してあるのかな。
『後はですねぇ、カードの読み上げに関しましては書かれている文章そのままとは限りませんので注意してくださいねぇ。例えば今場にあるカード、お尻とかおっぱいって言葉が出たらその瞬間にどのカードか分かっちゃいますよねぇ。それを先に3cmと言えば2枚に絞られますけどその内のどちらかは分からないでしょう? その辺りも駆け引きとして楽しんで貰おうって趣向ですねぇ。』
別に何も楽しくなんてない。
『それじゃあ早速、ゲームを開始しましょうかぁ。』
「え……ちょっと待ってよ。本当にやるの!?」
『“乳輪が5mm大きくなる”。』